お歳暮の意味

先週より百貨店でお歳暮商戦ということで、店頭受け付けがスタートしましたね。

ただ今年は、食料品を中心とする歴史的な物価高で、購買にも影響がありそうですが、この時期でしか買えない、特別感のある商品を贈るとの声もあるようで、日ごろお世話になっている方への感謝と、末長いお付き合いをという気持ちとともにやはり贈りたいものですね。

せっかくですのでお歳暮の由来と伝統について。

お歳暮の由来は、年末に先祖の霊への供物を親族や近所の人に配った、というのが原型といわれています。

その後、お正月のごちそうを年末に贈るものとなり、今でも食べ物を贈ることが多いです。(お酒、ジュース、お菓子、ハム、冷凍のお肉などが定番ですね。)

また、東日本では鮭、西日本では鰤(ぶり)を「年取り魚」、「正月魚」と呼んで年越しに食べたことから、お歳暮には新巻鮭(あらまきじゃけ)や塩鰤を贈る伝統もあります。

そしてときに、食べきれないほどの大きい新巻鮭や塩鰤もまた、別の意味があるようです。

交際の観点より、民俗学者・柳田国男の研究を引き継いだ、和歌森太郎によると、

『贈答は、お互いに1つの火で煮炊きしたものを分け合うことを簡略化したものであり、そうした食物を共同で飲食することが「つきあい」になると人々が考えたため』と言われています。

なので、年末に届いた新巻鮭(あるいは塩鰤)は、半身をお返しにしたり、切り身にして周囲に配ったりすることはそう意味合いがありました。後はお正月に近所でお餅を頂いたりすることも同じですね。

人と会って一緒に食事できる、このすばらしい機会が今後どうなるかは状況次第でありますが、お歳暮にも「ともに食べる」という意味が込められてるということを思いながら、お歳暮のこと、考えてみましょう。

参考記事

日本文化の入り口マガジン和樂web

https://intojapanwaraku.com/culture/181420/

中川政七商店の読み物

https://story.nakagawa-masashichi.jp/20654